ふるさと納税は年末調整でできない?正しい手続き方法を解説
年末調整の書類にふるさと納税の記入欄が見当たらず、ふるさと納税は年末調整でできないのではと不安になった方もいるのではないでしょうか。結論から言うと、ふるさと納税の控除は年末調整の対象外で、別途ワンストップ特例か確定申告の手続きが必要です。この記事では、ふるさと納税が年末調整でできない理由と、控除を受けるための正しい手続き方法・期限を整理します。
この記事でわかること
- ふるさと納税が年末調整の対象外になる理由
- ワンストップ特例と確定申告、それぞれの条件と申請方法
- 手続きを忘れた場合に起きることと、防ぐためのポイント
ふるさと納税の控除が年末調整で処理できない理由

年末調整で会社が代わりに手続きしてくれるのは、給与所得者に関係する一定の所得控除に限られます。生命保険料控除や地震保険料控除、扶養控除、2年目以降の住宅ローン控除などは年末調整の対象ですが、ふるさと納税による寄附金控除はこの対象に含まれていません。総務省・国税庁の情報によれば、寄附金控除を受けるには原則として確定申告が必要で、確定申告が不要な給与所得者などに向けた簡易な代替手段として「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が用意されています(2026年7月時点の制度です)。
会社の年末調整の書類には、生命保険料控除申告書や扶養控除等申告書のように、控除を受けるための専用の記入欄が用意されています。しかし寄附金控除には、そもそも年末調整用の記入欄自体が存在しません。「書く場所がないから対象外なのだろう」という感覚は実は正しく、制度としてもふるさと納税は最初から年末調整の枠組みの外に置かれています。
ふるさと納税の控除は、年末調整の手続きだけでは受けられません。会社に任せきりにせず、自分でワンストップ特例か確定申告のどちらかを行う必要があります。
年末調整と確定申告のどちらで対応するかを控除の種類ごとに整理すると、次のようになります。
| 控除の種類 | 年末調整での対応 | 補足 |
|---|---|---|
| 生命保険料控除・地震保険料控除 | 対応できる | 保険会社発行の証明書を会社に提出 |
| 住宅ローン控除(2年目以降) | 対応できる | 1年目は確定申告が必要 |
| 扶養控除・配偶者控除 | 対応できる | 年末調整の申告書に記入 |
| ふるさと納税(寄附金控除) | 対応できない | ワンストップ特例か確定申告が必要 |
年末調整の代わりに使う2つの手続き:ワンストップ特例と確定申告

年末調整で完結しない以上、ふるさと納税の控除を受けるには、次の2つの手続きのどちらかを自分で行う必要があります。控除額の計算方法や寄付から控除までのお金の流れについては、ふるさと納税の仕組みとお金の流れで詳しく説明していますので、あわせてご覧ください。
ワンストップ特例制度を使える人
ワンストップ特例制度は、確定申告が元々不要な給与所得者などで、1年間の寄付先が5自治体以内の場合に使える簡易な手続きです。寄付をするたびに寄付先の自治体へ申請書を提出するだけで、確定申告をしなくても控除を受けられます。同じ自治体に複数回寄付した場合は1自治体としてカウントされます。
確定申告が必要になる人
一方、6自治体以上に寄付した場合や、医療費控除・住宅ローン控除の初年度など他の理由で確定申告をする(あるいはする必要がある)場合は、ワンストップ特例は使えません。この場合は確定申告で、ふるさと納税の寄附金控除もあわせて申告する必要があります。
ワンストップ特例の申請方法と期限

ワンストップ特例を使う場合、寄付のタイミングに合わせて自分で申請書を提出する必要があります。手続きの流れは次のとおりです。
ふるさと納税サイトなどで寄付先の自治体を選び、寄付を申し込む。
自治体からワンストップ特例申請書が届く(自治体によってはオンライン申請にも対応)。
申請書に必要事項を記入し、本人確認書類とあわせて寄付先の自治体へ提出する。
具体的な寄付の申し込み手順や返礼品の選び方は、楽天ふるさと納税のやり方を解説した記事を参考にしてください。
⚠ 注意
ワンストップ特例の申請書は、寄付をした翌年の1月10日までに提出先の自治体に必着している必要があります。消印有効ではないため、12月に複数の自治体へ駆け込みで寄付すると、申請書の準備と郵送が年明けの数日に集中し、期限に間に合わなくなることがあります。
確定申告でふるさと納税の控除を申告する流れ

ワンストップ特例が使えない場合や、申請期限に間に合わなかった場合は、確定申告で寄附金控除を申告します。確定申告の期間は、寄付をした翌年の2月16日ごろから3月15日ごろまでで、還付を受けるだけの申告であれば1月1日から手続きが可能です(2026年7月時点の制度です)。申告の際は、寄付先の自治体が発行する寄附金受領証明書(または特定寄附金受領証明書の電子データ)が必要になるため、寄付をしたら証明書を保管しておきましょう。
国税庁の確定申告書等作成コーナーを使えば、画面の案内に沿って寄付金額などを入力するだけで控除額が自動計算され、e-Taxでの電子申告もできます。制度の詳細や最新の申告方法は変更される場合があるため、国税庁・総務省の公式サイトで確認することをおすすめします。ワンストップ特例と確定申告、それぞれの期限をまとめて確認したい方はふるさと納税の期限を解説した記事もあわせてご覧ください。
近年は、寄付先の自治体が発行する証明書を紙で保管しなくても、ふるさと納税サイト側が発行する電子データ(特定寄附金受領証明書)をe-Taxにそのまま取り込んで申告できる仕組みが広がっています。寄付先が多く証明書の管理が煩雑になりがちな人ほど、電子化された申告方法を早めに試しておくと、翌年以降の負担を減らしやすくなります。ただし対応状況は自治体やふるさと納税サイトによって異なるため、利用したい場合は事前に確認しておきましょう。
年末調整で処理したと思い込むと起きる失敗

年末調整の書類にふるさと納税の欄がないため「年末調整で処理済みだろう」と思い込み、ワンストップ特例の申請も確定申告もしないまま年が明けてしまうケースがあります。この場合、寄付そのものは有効でも控除の手続きをしていないため税金の控除を受けられず、寄付金額から2,000円を引いた分が丸ごと自己負担になってしまいます。
手続きを忘れると、寄付をしたのに控除は受けられないという結果になります。「年末調整で何とかなるはず」という思い込みが、こうした取りこぼしの一番の原因です。
📝 補足メモ
医療費控除や住宅ローン控除の初年度など、もともと確定申告が必要な人は、ワンストップ特例の申請をしていても無効になります。その年に確定申告をする予定がある場合は、ふるさと納税の寄附金控除を忘れずに申告書へ含めましょう。
まとめ

ふるさと納税の控除は年末調整では受けられず、ワンストップ特例か確定申告のどちらかを自分で手続きする必要があります。どちらを選ぶかは寄付先の自治体数や、他に確定申告が必要な事情があるかどうかで決まります。手続きを忘れると寄付をした意味が薄れてしまうため、期限だけは早めに確認しておきましょう。
この記事のまとめ
- ✓ ふるさと納税の控除は年末調整の対象外で、ワンストップ特例か確定申告が必要
- ✓ ワンストップ特例は5自治体以内・確定申告不要な給与所得者などが対象で、申請書は翌年1月10日必着
- ✓ 6自治体以上への寄付や他の理由での確定申告がある場合は、確定申告でまとめて寄附金控除を申告する
よくある質問
ふるさと納税は年末調整で控除できますか?
できません。ふるさと納税の控除は年末調整の対象外で、ワンストップ特例か確定申告のいずれかの手続きが別途必要です。年末調整の書類に記入欄がないのはこのためです。
ワンストップ特例と確定申告はどちらを選べばよいですか?
寄付先が5自治体以内で、確定申告が不要な給与所得者などはワンストップ特例を利用できます。6自治体以上に寄附した場合や、他の理由で確定申告をする場合は、確定申告でふるさと納税の控除もまとめて申告する流れになります。
手続きを忘れてしまった場合、どうなりますか?
手続きをしないまま期限を過ぎると、控除を受けられない可能性があります。ワンストップ特例の申請書は翌年1月10日必着とされているため、期限を意識して早めに手続きを済ませておくことが大切です。

