ふるさと納税の限度額はいくら?計算式と年収別の目安
「ふるさと納税の限度額を年収から目安で計算したい」――寄付先を選ぶ前に、多くの人がこの疑問にぶつかります。限度額は年収や家族構成によって変わるため、計算の仕組みを知らないまま寄付すると、自己負担額が2,000円を超えてしまうこともあります。この記事では、限度額の計算式と検算した具体例、年収別の目安を2026年7月時点の情報でわかりやすく整理します。
この記事でわかること
- 限度額の計算式と各項目の意味
- モデルケースで実際に検算した具体例
- 年収別の限度額の目安と、正確な金額を確認する方法
ふるさと納税の限度額(控除上限額)とは何か

ふるさと納税の限度額とは、自己負担額2,000円だけで寄付ができる寄付金額の上限のことです。限度額の範囲内であれば、寄付額から2,000円を差し引いた金額が所得税の還付と住民税の控除で戻ってきますが、限度額を超えた部分は控除の対象外となり、実質的にただの寄付になります。ふるさと納税の基本的な仕組みについてはふるさと納税の仕組みで詳しく説明しています。
限度額は年収そのものではなく、年収から社会保険料控除や扶養控除などを差し引いたあとの「住民税所得割額」と「所得税率」によって決まります。そのため、年収が同じでも家族構成や他の控除の有無によって限度額は変わります。
ふるさと納税の限度額の計算式をわかりやすく解説

ふるさと納税の控除は、所得税からの還付と、住民税からの控除(基本分・特例分)の合計で成り立っています。総務省の解説によると、特例分が住民税所得割額の2割以内に収まる場合、限度額は次の式で求められます。
■ 限度額の計算式
限度額 = 住民税所得割額 × 20% ÷ (90% − 所得税率 × 1.021) + 2,000円
式の中の「1.021」は復興特別所得税の税率を所得税率に上乗せするための係数です。2026年7月時点では、令和19年中の寄付までこの係数を用いることが総務省のふるさと納税ポータルサイトで案内されています。
住民税所得割額とは
住民税所得割額は、毎年5月〜6月頃に勤務先経由、または自治体から送られてくる「住民税決定通知書」に記載されています。年収から給与所得控除や社会保険料控除、扶養控除などを差し引いた課税所得金額に、住民税率(基本的に10%)を掛けて算出される金額です。
所得税率(復興特別所得税を含む)とは
所得税率は課税所得金額に応じて段階的に上がる累進税率で、控除を差し引いた後の課税所得金額によって決まります。この式で使う所得税率は、住民税の課税総所得金額をもとに算出したものであり、確定申告書に記載される所得税率とわずかに異なる場合がある点には注意が必要です。詳しい税率区分は国税庁の情報で確認できます。
モデルケースで限度額を検算してみる

計算式だけではイメージがつかみにくいため、住民税所得割額30万円・所得税率10%という一例(モデルケース)で実際に計算してみます。あくまで一例であり、実際の金額は人によって異なります。
住民税所得割額30万円 × 20% = 60,000円
所得税率10% × 1.021 = 10.21%、90% − 10.21% = 79.79%
60,000円 ÷ 79.79% ≒ 75,197円
75,197円 + 2,000円 ≒ 77,197円 → 限度額の目安は約77,000円
このように、住民税所得割額と所得税率さえわかれば、限度額は自分で計算できます。ただし住民税所得割額は年収だけでは把握できないため、正確な数字を知るには源泉徴収票や住民税決定通知書を確認する必要があります。
年収別のふるさと納税限度額の目安

住民税所得割額を調べる前に、大まかな見当をつけたい場合は、給与収入(年収)ベースの目安表が参考になります。以下は2026年7月時点で、社会保険料控除以外に大きな控除がない給与所得者を想定した、独身または配偶者控除のない共働き夫婦の場合の目安です。
| 給与収入(年収) | 限度額の目安 |
|---|---|
| 300万円 | 28,000円 |
| 400万円 | 42,000円 |
| 500万円 | 61,000円 |
| 600万円 | 77,000円 |
| 700万円 | 108,000円 |
| 800万円 | 130,000円 |
■ ここがポイント
扶養家族がいる場合や、住宅ローン控除・医療費控除・iDeCoの掛金控除などを受けている場合は、この表の目安より限度額が低くなります。目安表はあくまで大まかな見当をつけるためのものと考えてください。
限度額を計算するときの注意点とよくある誤解

限度額の計算でつまずきやすいポイントを整理します。
年収だけでは正確な限度額はわからない
年収別の目安表は便利ですが、実際の限度額は住宅ローン控除や医療費控除、iDeCoの掛金控除など他の控除の有無で変わります。前年と年収が同じでも、控除内容が変わった年は限度額も変わる可能性があります。
限度額を超えると自己負担が増える
限度額を超えて寄付した分は、所得税・住民税の控除対象になりません。「多めに寄付しておけば控除も増えるはず」という考え方は誤りで、超過分はそのまま自己負担になります。
年収や家族構成が変わったら再計算が必要
転職・退職・結婚・住宅ローン完済などで年収や控除の状況が変わると、翌年の限度額も変わります。毎年同じ金額を寄付するのではなく、年ごとに見直すことをおすすめします。ふるさと納税の寄付・申請には期限もあるため、あわせてふるさと納税の期限を解説した記事もご確認ください。
⚠ 注意
ふるさと納税の制度は、返礼品のルールやポイント付与の扱いなど、これまでにも見直しが行われています。掲載している税率や係数、金額の目安は2026年7月時点の情報です。最新のルールは総務省のふるさと納税ポータルサイトなど公式情報でご確認ください。
正確な限度額を知る方法(シミュレーター・自治体への確認)

ここまでの計算式と目安表は、あくまで「大まかな見当」をつけるためのものです。正確な限度額を知りたい場合は、次の方法があります。
- 各ふるさと納税ポータルサイトが提供している限度額シミュレーターに、源泉徴収票の数字を入力する
- お住まいの市区町村の税務担当窓口に問い合わせる
- 税理士など専門家に相談する
シミュレーターは源泉徴収票の項目をそのまま入力できるものが多く、計算式を自分で解くよりも精度が高くなります。シミュレーターの具体的な読み方・使い方はふるさと納税シミュレーションの使い方で詳しく紹介しています。控除の内容や家族構成が複雑な場合は、シミュレーターの結果だけで判断せず、自治体や税理士にも確認しておくと安心です。
まとめ

ふるさと納税の限度額は「住民税所得割額×20%÷(90%−所得税率×1.021)+2,000円」という式で計算できますが、実際に使う数値(住民税所得割額・所得税率)は年収だけでなく他の控除にも左右されます。年収別の目安表で大まかな見当をつけたうえで、正確な金額は源泉徴収票を基にしたシミュレーターや、自治体・税理士への確認で仕上げるのが安全な進め方です。
この記事のまとめ
- ✓ 限度額は住民税所得割額×20%÷(90%−所得税率×1.021)+2,000円で計算する
- ✓ 年収別の目安表は大まかな見当づけに使い、正確な金額は源泉徴収票の数字で確認する
- ✓ 扶養家族や他の控除がある場合、年収や家族構成が変わった場合は都度シミュレーターや自治体で確認し直す
よくある質問
ふるさと納税の限度額はどうやって計算しますか?
「住民税所得割額×20%÷(90%−所得税率×1.021)+2,000円」という計算式で求められます。計算に使う所得税率や住民税所得割額は源泉徴収票などで確認できるため、実際の数値を当てはめて計算することができます。
年収別の限度額の目安表はそのまま使ってもよいですか?
目安表は大まかな見当づけに使うものとして扱ってください。正確な限度額を知るには、源泉徴収票の数字を使って自分で計算するか、シミュレーターで確認することをおすすめします。
扶養家族や年収が変わった場合、限度額の確認はどうすればよいですか?
扶養家族の増減や年収の変化、他の控除の有無によって限度額は変わるため、状況が変わるたびにシミュレーターや自治体への確認をやり直す必要があります。前年と同じ感覚で寄附すると、自己負担が想定より増えてしまうことがあるため注意してください。

