資産運用シミュレーションのやり方【複利計算を徹底解説】

「資産運用のシミュレーションをしてみたけど、この数字は本当に合っているの?」と感じたことはないでしょうか。資産運用シミュレーションは、複利計算の仕組みさえ理解すれば電卓やスプレッドシートでも同じ結果を再現できます。この記事では資産運用シミュレーションの計算方法と、積立額・利回り別の具体的な試算例をあわせて解説します。

あいちゃん
あいちゃん
資産運用のシミュレーションをネットでやってみたら、20年後に1,000万円超えって出たんですけど……この数字、そのまま信じていいんでしょうか?
実はその数字、複利計算の式に当てはめれば自分でも検算できるんです。前提条件次第で結果は大きく変わるので、計算の仕組みから一緒に見ていきましょう。
dogarse
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この記事でわかること

  • 資産運用シミュレーションが何を計算しているか、複利計算の計算式
  • 積立額・利回り別のシミュレーション結果一覧
  • シミュレーションを過信しないための注意点

資産運用シミュレーションで分かること

資産運用シミュレーションの結果イメージを表す右肩上がりの資産成長グラフのイラスト

資産運用シミュレーションとは、元本(最初にまとまった金額を入れる場合)や毎月の積立額、想定利回り(年何%で運用できると仮定するか)、運用期間の4つの数値を入力し、将来の資産額を試算する計算のことです。証券会社のサイトや、金融庁のNISA特設サイトの「つみたてシミュレーター」など、無料のシミュレーターが公開されており、数値を入力するだけで誰でもすぐに結果を確認できます。

ただし、シミュレーションが教えてくれるのは正解の未来ではなく、前提条件を変えたときに資産がどう増減するかの目安にすぎません。想定利回りが1%違うだけで最終的な金額は大きく変わるため、表示された数字を鵜呑みにせず、複数のパターンで試算してみることが重要です。

資産運用を始める前にまず家計の土台を整えておきたい方は、「3つの財布」完全ガイドもあわせてご覧ください。

複利計算のしくみと計算式

複利計算の計算式と数値の当てはめ方を示した図解イメージ

資産運用シミュレーションの中身は、実は難しい話ではありません。毎月一定額を積み立てながら複利で運用する場合、将来の資産額(FV)は次の式で計算できます。

将来の資産額 = 毎月の積立額 ×{(1+月利)^積立月数 - 1}÷ 月利

ここでいう「月利」は年利を12で割った値です。たとえば毎月3万円を年率5%で10年間(120ヶ月)積み立てた場合、月利は5%÷12=約0.417%となり、この式に当てはめると最終的な資産額は約465.8万円になります。積み立てた元本は360万円なので、運用による増加分は約105.8万円という計算です。

なお、この式は毎月末に積み立てる「期末払い」が前提で、毎月初めに積み立てるツールでは結果が数万円程度ずれることがあります。

■ ここがポイント

複利計算で運用益に差が出やすいのは、運用期間が長くなるほど「利益が新たな利益を生む」効果が積み重なっていくためです。同じ利回りでも運用期間を延ばすほど、後半にいくにつれて資産の増え方が加速していきます。

積立額・利回り別の資産運用シミュレーション結果

積立額と利回り別のシミュレーション結果を比較する表のイメージ

実際に毎月の積立額・運用期間・想定利回りを変えてシミュレーションした結果を一覧にまとめました。いずれも毎月一定額を積み立てながら複利で運用した場合の試算で、税金・手数料は考慮していません。

条件(積立額×期間×想定利回り) 積立元本 最終資産額(運用益)
月3万円×10年×年3% 360万円 約419.2万円(約59.2万円)
月3万円×20年×年3% 720万円 約984.9万円(約264.9万円)
月3万円×20年×年5% 720万円 約1,233.1万円(約513.1万円)
月3万円×20年×年7% 720万円 約1,562.8万円(約842.8万円)
月3万円×30年×年5% 1,080万円 約2,496.8万円(約1,416.8万円)
月5万円×20年×年5% 1,200万円 約2,055.2万円(約855.2万円)
月10万円×20年×年5% 2,400万円 約4,110.3万円(約1,710.3万円)
月3万円×20年×年1%(参考:低めのケース) 720万円 約796.7万円(約76.7万円)

この表からわかるとおり、同じ「月3万円を20年間積み立てる」条件でも、年1%と年5%では最終的な受取額に400万円以上の差が生まれます。想定利回りの設定ひとつでシミュレーション結果が大きく変わることを、まず押さえておきましょう。

実際に積立投資の口座開設や積立設定まで進めたい方は、NISAの始め方5ステップで手順を具体的に解説しています。

なお、令和8年度税制改正の大綱では2027年1月以降に0〜17歳向けの新枠を新設する方針が示されています(現行は2026年8月時点で維持中、法案は審議中)。最新情報は金融庁のNISA特設サイトでご確認を。

シミュレーションで使う想定利回りの目安と注意点

想定利回りの目安を示す棒グラフ風のイメージ画像

シミュレーションで最も悩みやすいのが「想定利回りを何%に設定すればよいか」という点です。ここでは目安の考え方と、設定時に注意したいポイントを整理します。

過去の運用実績を目安にする

参考になる公的データとしては、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用実績があります。市場運用開始(2001年度)以降の年率は+4.95%(2026年度第1四半期時点)ですが、公的年金の分散運用であり個人のインデックス投資とは前提が異なります。金融庁の教材でも、1989年以降の積立試算で20年保有の100万円が186万円〜331万円になった例があり、いずれも過去の実績です。

利回りを高く見積もりすぎない

先ほどの表のとおり、想定利回りが2%変わるだけで20年後の最終資産額は数百万円単位で変わります。楽観的な数字で試算すると結果とのギャップに戸惑いかねません。本記事の年3%のケースのように、低めの利回りでも試算し目標額に届くか確認しておくと備えになります。

リスク許容度に合わせて期間・積立額を調整する

金融庁の教材では「投資を長期間続けると、元本割れの可能性の低減が期待できる」とされる一方、「途中でやめてしまうと、こうした効果は弱くなる」とも付け加えられています。利回りの高さだけでなく、相場が下がっても続けられるかに合わせて前提を調整することが大切です。

⚠ 注意

シミュレーションで使う利回りはあくまで仮定の数値であり、将来の成果を保証するものではありません。相場の変動によって元本割れが生じる可能性もあります。本記事のGPIF・金融庁教材のデータは2026年8月時点のものです。最新の実績は各機関の公式サイトでご確認ください。

シミュレーション結果を過信しないためのリスクと限界

資産運用のリスクと注意点を表す警告アイコン付きのイメージ画像

資産運用シミュレーションは便利な一方、いくつかの限界があります。数字を見るときは、次の3点を頭に置いておくと結果を過信しすぎずに済みます。

元本割れリスクは織り込まれていない

多くのシミュレーターは、毎年一定の利回りで資産が増えていく前提で計算します。金融庁のつみたてシミュレーターも「将来の結果を予測し、保証するものではありません」と明記しています。実際の相場は上下を繰り返すため暴落局面では一時的に元本を下回ることもあり、背景は地政学リスクと資産防衛策で解説しています。

手数料・税金は加味されていない

シミュレーターによって手数料や税金の扱いは異なります。金融庁の「つみたてシミュレーター」は考慮の有無を明示していない一方、知るぽるとは税率20.3%を織り込んだ簡易計算だと明記しています。受取額はツールの前提次第で目減りするため、前提も確認しましょう。

インフレによる実質的な目減り

シミュレーション結果はあくまで名目上の金額です。物価が上昇するインフレ局面では、同じ金額でも将来購入できるモノやサービスの量は減ります。金額だけでなく、その金額で実質的に何ができるかという視点も忘れないようにしましょう。

まとめ

資産運用シミュレーションのポイントをまとめたチェックリスト風のイメージ画像

資産運用シミュレーションは、積立額・運用期間・想定利回りを式に当てはめるだけの計算であり、仕組みを理解すれば自分で検算することもできます。表示される数字はあくまで仮定の目安であり、元本割れリスクや手数料・税金、インフレの影響までは反映されていません。私自身も試算するときはGPIFや金融庁の教材といった公的データを参考にしつつ、複数の利回りパターンで比較するようにしています。

この記事のまとめ

  • 資産運用シミュレーションは積立額・期間・想定利回りを式に当てはめた試算
  • 想定利回りが数%違うだけで最終額は数百万円単位で変わる
  • 元本割れ・手数料・税金・インフレはシミュレーションに反映されていない
  • 保守的な利回りでも試算し、複数パターンで比較するのが現実的

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資は元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の判断と責任で行ってください。

よくある質問

資産運用シミュレーションは何を計算しているのですか?

毎月の積立額、積立期間、想定利回りを複利計算の式に当てはめて、将来の資産額を試算するものです。仕組みさえ理解すれば、電卓やスプレッドシートでも同じ結果を再現できます。

シミュレーションの想定利回りはどれくらいで計算すればよいですか?

想定利回りが数%違うだけで、最終的な資産額は数百万円単位で変わることがあります。高めの利回りだけで試算せず、保守的な数値も含めて複数パターンで比較しておくと、より現実的な見通しを持てます。

シミュレーションの結果はそのまま信じてよいですか?

シミュレーションはあくまで試算であり、元本割れのリスクや手数料、税金、インフレの影響は反映されていません。数字を鵜呑みにせず、あくまで目安として捉えたうえで、無理のない金額で運用を検討することが大切です。

執筆者:dogarse(FXトレード歴8年・家計簿歴8年)
資金管理の失敗から立て直した実体験をもとに、投資と家計管理を実践目線で書いています。
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