住宅ローンはいくらまで借りられる?年収別の目安と注意点
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物件探しの夜、ローンの試算画面に出た借入可能額の大きさに手が止まった。
「この金額を本当に35年返し続けられるのか」と、画面の前で迷っていませんか。
結論から言うと、借入額は審査の上限ではなく、返済を年収の25%程度に収める基準で決めるのが安心です。
金融機関が貸してくれる金額と、家計として無理なく返せる金額は必ずしも一致しないからです。
この記事では、年収別の借入額の目安と、それを自分の家計に当てはめる手順・注意点を整理します。
家を買おうと思ってるんですけど、住宅ローンっていくらまで借りられるものなんですか?正直、いくらが安全なラインなのか全然わからなくて…
実は、金融機関が「貸せる金額」と、家計として無理なく返せる金額には、けっこう差があるんです。今日はその違いを、年収別の目安と一緒に整理していきますね。
この記事でわかること
- 住宅ローンの借入額がどう決まるのか(審査基準の仕組み)
- 年収別に見る住宅ローンの借入額の目安
- 無理のない住宅ローンにするための3つのチェックポイント
住宅ローンの借入額はどう決まるのか

住宅ローンの借入可能額は、金融機関が独自に定める審査基準で決まり、その中心にあるのが「返済負担率」です。
返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合を指します。
年間返済額には、住宅ローンだけでなく車のローンやカードローンなど他の借入も含みます。この数値が一定の基準を超えると、審査に通りにくくなります。
■ ここがポイント
返済負担率は「年間返済額 ÷ 年収 × 100」で計算します。住宅金融支援機構の【フラット35】では、この基準を年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下としています(2026年8月時点)。ただし、これは「借りられる上限」であり「無理なく返せる金額」とは別物として考える必要があります。
また、頭金として自己資金をどれだけ用意できるかも、借入額や適用金利に影響します。
物件価格に対する借入額の割合(融資率)が低いほど、金融機関にとって貸し倒れのリスクは小さくなります。そのため、優遇金利が適用されやすくなる傾向があります。
自己資金をどこまで準備するかは、手元の生活防衛資金を減らしすぎない範囲で検討することが大切です。
住宅ローンの金利タイプによっても、月々の返済額や借入可能額は変わってきます。
固定金利と変動金利の違いや選び方は、住宅ローン金利の選び方で詳しく解説しています。
計算例: 審査の上限と25%基準ではどれだけ差が出るか
同じ年収でも、どの基準で計算するかで借入額の目安は1,000万円以上変わることがあります。
年収500万円を仮定した架空の計算例です。条件は下の表と同じ金利1.5%・35年・元利均等返済です。
| 基準(年収500万円の場合) | 月々の返済額目安 | 借入額の目安 |
|---|---|---|
| 審査の上限(返済負担率35%) | 約14.6万円 | 約4,760万円 |
| 無理のない基準(返済負担率25%) | 約10.4万円 | 約3,400万円 |
差は借入額で約1,360万円、月々の返済額で約4.2万円です。
35%で返す金額は、年収700万円の家庭が25%で返す金額と同じです。上限まで借りると、年収が4割高い家庭と同じ返済を背負う計算になります。
なお、審査で使われる金利は商品ごとに異なるため、実際の借入可能額はこの計算とは一致しません。
年収別に見る住宅ローンの借入額の目安

「無理のない返済負担率は年収の25%程度まで」という考え方で年収別に試算すると、次のようになります。
条件は金利1.5%・返済期間35年・元利均等返済です。金利は今後の水準で変動するため、あくまで2026年8月時点の目安としての仮定です。
| 年収 | 月々の返済額目安 | 借入額の目安 |
|---|---|---|
| 年収300万円 | 約6.3万円 | 約2,040万円 |
| 年収400万円 | 約8.3万円 | 約2,720万円 |
| 年収500万円 | 約10.4万円 | 約3,400万円 |
| 年収700万円 | 約14.6万円 | 約4,760万円 |
この試算は、あくまで「返済負担率25%」という一つの基準に基づくシミュレーションです。
実際の審査では、勤続年数や他の借入状況、物件の担保評価なども考慮されます。そのため、金融機関ごとに結果は変わります。
「自分の家計で無理なく返せる金額」を考えるための出発点として使ってください。
表の金額がそのまま当てはまらないケース
次のどれかに当てはまる場合は、表の金額より低めに見積もるのが安全です。
- 車のローンやカードローンなど、住宅ローン以外の返済がある
- 借りるときの金利が、表の仮定(1.5%)より高い
- 35年より短い期間で返し終えたい
たとえば年収500万円で車のローンを月2万円返す家庭(架空の例)では、住宅ローンに回せるのは月約8.4万円です。
これは表の年収400万円の行(借入約2,720万円)とほぼ同じ水準です。年収だけで約3,400万円を目安にすると、700万円近く見誤ります。
自分の借入額の目安を出す5つの手順
次の5つの手順で、表の数字を自分の家計に置き換えます。
手取りの月収と、今の固定費・生活費を書き出す。
車のローンやカードローンなど、住宅ローン以外の毎月の返済額を確認する。
年収の25%を12で割り、そこから他の返済を引いて、住宅ローンに回せる月額を出す。
その月額を年収別の表に当てはめ、借入額のおおよその目安をつかむ。
金融機関の公式サイトの返済シミュレーションで、実際の金利・期間を入れて計算し直す。
無理のない住宅ローンにするための3つのチェックポイント

「借りられる金額」と「無理なく返せる金額」は別物です。
審査に通る上限まで借りると、教育費や老後資金の準備に回せるお金が圧迫されます。家計全体の柔軟性を失うことにもなりかねません。
ここでは、借入額を決める前に確認しておきたい3つの視点を紹介します。
返済負担率を「使える上限」ではなく「余裕を持たせる基準」で考える
金融機関の審査基準である返済負担率30〜35%は、あくまで「これ以上は貸せない」という上限です。
実際の家計運用では、20〜25%程度に抑えておくと、収入の変動や急な出費があっても返済を続けやすくなります。
手取り収入をベースに考えると、さらに現実的な感覚がつかめます。
ボーナス返済に頼りすぎない
ボーナス返済を組み合わせると、月々の返済額を抑えられます。
ただしボーナスは、業績や勤務先の状況によって減額・支給停止となる可能性があります。
ボーナス返済分の割合を大きくしすぎると、ボーナスが減った年に一気に家計が苦しくなります。月々の給与だけで無理なく返せる金額を基本に考えるのがおすすめです。
将来の金利上昇・ライフイベントを織り込む
変動金利は当初の返済額が低く見える分、将来の金利上昇によって返済額が増える可能性があります。
子どもの進学や車の買い替えなど、数年先に控えているライフイベントの支出も合わせて考えておく必要があります。
借入時点の金利や家計だけでなく、5年後・10年後の変化まで見据えて借入額を決めることが、後悔しない住宅ローン選びにつながります。
借入額を決める前のチェックリスト
次の項目をすべて満たせば、借入額に無理がないかを一通り確かめたことになります。
- 住宅ローン以外の返済も含めて返済負担率を計算した
- 手取りの家計でも、毎月の返済と貯金が両立する
- ボーナスが出ない年でも返済を続けられる
- 金利が上がった場合の返済額も試算した
- 頭金とは別に生活防衛資金を残せる
1つでも引っかかる項目があれば、借入額・頭金・返済期間のどれかを見直すサインです。
⚠ 注意
金融機関の審査基準や適用金利は、経済情勢や各社の商品改定によって変わります。この記事で紹介した数値はあくまで目安であり、最新の審査基準・金利水準は住宅金融支援機構や各金融機関の公式サイトで必ずご確認ください。
住宅ローンは家計の中でも最大の固定費になることがほとんどです。
返済負担率だけでなく、他の固定費とのバランスも見直しておくと安心です。見直し方は固定費見直しの順番で詳しく解説しています。
住宅ローンの借入額を見誤ると起きるリスクと今後の展望

借入額を見誤ったまま住宅ローンを組むと、後から取り返しがつきにくい問題につながることがあります。
代表的なのは、返済に追われて教育費や老後資金の積み立てが後回しになるケースです。
変動金利で借りている場合は、将来の金利上昇で月々の返済額が増え、家計を圧迫する可能性もあります。
売却を検討する段階になって、残債が売却価格を上回る「オーバーローン」状態に気づくケースも見られます。
今後は、政策金利の動向次第で住宅ローン金利が変動する可能性があります。将来の金利変動リスクまで含めて借入額を考える視点は、これまで以上に重要になると考えられます。
こうしたリスクへの備えとして、住宅ローンを組む前に生活防衛資金(生活費の半年〜1年分程度)を別に確保しておくことをおすすめします。
借入時に加入する団体信用生命保険の保障内容も、万が一の際に家計を守る重要な要素なので、あわせて確認しておくとよいでしょう。
家計に余裕が出てきた段階で、繰り上げ返済で総返済額を圧縮する選択肢も、借入額を決める時点から視野に入れておくと安心です。
計算例: 共働きで収入を合算する場合
収入を合算して借りるときは、片方の収入が止まっても返せるかで判断するのが安全です。
仮に、年収300万円と200万円の夫婦が合算して年収500万円で考える家庭を想定します(架空の例)。
合算の25%なら月約10.4万円ですが、片方の収入が止まり年収300万円だけになると、25%の目安は月約6.3万円です。
差の約4.1万円を毎月どこから出すのかを、借りる前に夫婦で決めておきましょう。
まとめ

住宅ローンの借入額は、審査基準である返済負担率30〜35%を上限としつつ、家計としては20〜25%程度に抑えると無理なく返しやすくなります。
年収別の目安はシミュレーションの出発点です。他の返済やボーナス返済への依存度、将来の金利上昇まで含めて、自分の家計に合った借入額を考えることが大切です。
家計全体のお金の管理を見直したい方は、3つの財布でお金の管理術もあわせてご覧ください。
この記事のまとめ
- ✓ 「借りられる金額」と「無理なく返せる金額」は別物と考える
- ✓ 年収別の借入額目安は返済負担率25%を基準にした一つのシミュレーション
- ✓ 住宅ローン以外の返済を差し引いてから、回せる月額を出す
- ✓ ボーナス返済への依存度と将来の金利上昇リスクを織り込んで判断する
- ✓ 最新の審査基準・金利水準は必ず公式サイトで確認する
【免責事項】
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資は元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の判断と責任で行ってください。詳しくは免責事項をご覧ください。
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よくある質問
住宅ローンの借入額はどうやって決まりますか?
金融機関の審査基準や返済負担率など複数の要素で決まります。
「借りられる金額」と「無理なく返せる金額」は一致しないため、審査で提示された金額をそのまま借入希望額にするのは避けたほうがよいでしょう。
年収に対して住宅ローンはいくらまで借りられますか?
年収別の借入額目安は、返済負担率25%を基準にした一つのシミュレーションとして考えられています。
この記事の仮定(金利1.5%・35年・元利均等返済)では、年収500万円で約3,400万円が目安です。他の返済がある場合は、その分を差し引いて考えてください。
実際に借りられる金額は金融機関や個人の状況で変わるため、参考値として捉え、最新の審査基準は必ず公式サイトで確認してください。
無理のない住宅ローンにするにはどうすればよいですか?
ボーナス返済への依存度を下げ、将来の金利上昇リスクを織り込んで返済計画を立てることがポイントです。
借りられる上限額ではなく、将来のライフイベントも考慮した無理のない返済額を基準に借入額を検討することをおすすめします。

