年金生活者支援給付金とは?対象者と支給額を徹底解説
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「年金生活者支援給付金の対象者になるのか、そしていくらもらえるのか」という点は、年金額を軸に生活を組み立てている方にとって見過ごせない情報です。この給付金は年金とは別枠で支給される制度でありながら、対象条件や金額の仕組みがわかりにくく、請求(申請)自体をしていないために受け取れていない人もいます。本記事では、対象条件・支給額の目安・申請方法までを順番に整理して解説します。
この記事でわかること
- 年金生活者支援給付金の対象条件と3つの種類
- 老齢・障害・遺族それぞれの支給額の目安
- 申請方法と振込のタイミング
年金生活者支援給付金とは?制度の目的と3つの種類

年金生活者支援給付金は、公的年金だけでは生活が苦しい低所得の年金受給者を支援するために、2019年10月に創設された制度です。実施主体は日本年金機構で、老齢基礎年金・障害基礎年金・遺族基礎年金のいずれかを受け取っている人のうち、一定の所得基準を下回る人に、年金とは別枠で毎月一定額が上乗せで支給されます。
制度は「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3種類に分かれており、受け取っている年金の種類によって対象となる給付金が変わります。税額控除を活用する他の制度とは異なり、請求(申請)をしなければ支給が始まらない点は特に見落とされやすいところです。次の章から、それぞれの対象条件と支給額の目安を見ていきます。なお、本記事の内容は2026年7月時点の制度に基づいています。
制度の窓口は日本年金機構です。自分や家族が対象になるか分からない場合は、最寄りの年金事務所や年金相談センターに相談すると、現在受け取っている年金の種類と所得の状況から対象になりそうかどうかを確認できます。制度の名称だけを見ると複雑に感じますが、実際の判断材料は「年齢または受給している年金の種類」「世帯の住民税非課税の有無」「前年の所得」の3点に集約されます。
老齢年金生活者支援給付金の対象条件と支給額の目安

老齢基礎年金を受け取っている人を対象にした給付金です。老後の年金収入だけで暮らす世帯にとって、対象になるかどうかは家計に直結します。
対象になる条件
老齢年金生活者支援給付金の対象となるのは、次のすべてに当てはまる人です。
- 65歳以上で老齢基礎年金を受給している
- 本人と同一世帯の全員が市町村民税非課税である
- 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得の合計額が、毎年度定められる基準額以下である
所得基準額は消費者物価指数の変動に応じて毎年度改定される仕組みで、制度が創設された2019年度は878,900円でした。最新の基準額は日本年金機構の公式サイトで確認できます。
支給額の計算の仕組み
支給額は「保険料納付済期間に基づく額」と「保険料免除期間に基づく額」を合算して決まります。保険料をきちんと納めてきた期間が長いほど納付済み部分の額は大きくなり、免除期間がある場合はその期間に応じた額が加算される仕組みです。創設時点(2019年度)の給付基準額は月額5,140円で、こちらも毎年度改定されます。年金の受給額そのものが少ない人ほど、家計に占める給付金の割合は大きくなる点は覚えておきたいところです。
■ ここがポイント
老齢年金生活者支援給付金は、老齢基礎年金の受給が始まると自動で振り込まれるわけではありません。請求書の提出が必要なので、年金請求時に案内が届いていないか確認しましょう。
障害年金・遺族年金生活者支援給付金の対象条件と金額

老齢基礎年金だけでなく、障害基礎年金・遺族基礎年金の受給者にもそれぞれ専用の給付金が用意されています。
障害年金生活者支援給付金
障害基礎年金を受給していて、前年の所得が一定額以下の人が対象です。支給額は障害等級によって異なり、1級は2級の1.25倍の額が設定されています。等級が重いほど生活面での制約が大きくなることを踏まえた仕組みです。
遺族年金生活者支援給付金
遺族基礎年金を受給していて、前年の所得が一定額以下の人が対象です。子が遺族基礎年金を受け取っている場合など、受給者が複数いるケースでは、給付額を人数で割った額がそれぞれに支給されます。遺族基礎年金自体が「子のある配偶者」または「子」を対象にした制度であるため、この給付金も同じ範囲の人が対象になります。
申請方法と振込のタイミング

対象条件を満たしていても、請求(申請)をしなければ支給は始まりません。手続きの流れを押さえておきましょう。
請求手続きの流れ
年金の受給を新たに始める人は、年金の請求手続きと同時に「年金生活者支援給付金請求書」を提出する。
すでに年金を受給していて新たに対象になった人には、日本年金機構から緑色の封筒でハガキ形式の請求書が送られてくるので、必要事項を記入して返送する。
日本年金機構での審査を経て認定されると、年金と同じタイミングで支給が始まる。
振込のタイミング
支給が決まると、老齢基礎年金など通常の年金と同じ偶数月(年6回)にまとめて振り込まれます。給付金だけが単独で別日に振り込まれるわけではないため、通帳の年金受取額がいつもより多い場合は、給付金が含まれている可能性があります。振込通知や年金振込通知書の内訳を確認する習慣をつけておくと安心です。
年金生活者支援給付金の注意点とこれからの見通し

給付金にはメリットだけでなく、見落としやすい注意点もあります。
⚠ 注意
前年の所得が基準額をわずかに超えただけで、給付金の対象外になります。年の途中でパート収入が増えたり年金額が増額されたりした場合は、翌年度に支給が止まる可能性がある点に注意してください。
税制上の扱いと他の制度との関係
年金生活者支援給付金は非課税で受け取れる給付金です。ただし、対象になる条件である「住民税非課税」は、税額控除を活用する制度とは相性がよくありません。ふるさと納税の仕組みはこちらが、住民税が非課税の世帯は控除の枠自体がほとんどないため、恩恵を受けにくい点は押さえておく必要があります。
支給額は毎年度見直される
支給額と所得基準額は、いずれも物価変動に連動して毎年度改定されます。物価が上がれば給付額が引き上げられる可能性がある一方、基準額の見直しによって、これまで対象外だった人が新たに対象に含まれることもあります。年度が変わるタイミングで、自分が対象になっていないか改めて確認する価値があります。毎年の受給額の変化を見落とさないためには、年金収入と給付金を合わせて家計簿に記録しておくのがおすすめです。家計簿の正しいつけ方を参考に、振込額の変化に気づける習慣をつくっておくと安心です。
今後の制度見直しの可能性
年金生活者支援給付金は、年金制度そのものの財政状況や社会保障制度改革の議論と切り離せない制度です。今後、少子高齢化がさらに進めば、給付対象や金額の基準が見直される可能性は十分に考えられます。現時点で対象になっている人も、制度が将来にわたって同じ条件で続く保証はないという前提で、年金以外の資産形成も並行して考えておくことが望ましいでしょう。
まとめ

年金生活者支援給付金は、老齢・障害・遺族のいずれかの基礎年金を受給していて、所得が一定基準以下の人に、年金とは別枠で上乗せ支給される制度です。対象条件に当てはまっていても、請求手続きをしなければ支給は始まりません。まずは自分や家族が対象になっていないか、日本年金機構からの通知や年金請求時の案内を確認することから始めましょう。給付金を含めた年金収入をどう管理していくかについては、お金の管理術完全ガイドもあわせて参考にしてみてください。
この記事のまとめ
- ✓ 対象は老齢・障害・遺族基礎年金の受給者のうち所得が低い人
- ✓ 支給額と所得基準額は毎年度改定される
- ✓ 請求(申請)をしないと支給は始まらない
よくある質問
年金生活者支援給付金とは、どんな制度ですか?
公的年金だけでは生活が苦しい低所得の年金受給者を支援するために、2019年10月に創設された制度です。老齢基礎年金・障害基礎年金・遺族基礎年金のいずれかを受け取っている人のうち、一定の所得基準を下回る人に、年金とは別枠で毎月一定額が上乗せで支給されます。
年金生活者支援給付金は誰でももらえますか?
いいえ、対象は所得が一定基準を下回る人に限られます。老齢・障害・遺族それぞれで対象条件が異なり、たとえば老齢年金生活者支援給付金は65歳以上で老齢基礎年金を受給し、世帯全員が市町村民税非課税であることなどが条件です。詳しい基準は毎年度改定されるため、最新情報を確認してください。
年金生活者支援給付金は自動的に振り込まれますか?
いいえ、自動では振り込まれません。対象条件を満たしていても、請求(申請)の手続きをしなければ支給は始まりません。年金の請求時に案内が届いていないか確認し、心当たりがある場合は日本年金機構や年金事務所に相談することをおすすめします。

