年金から引かれるものは4つ?天引きの内訳を解説
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年金の振込通知書を見て、思っていたより受け取れる金額が少なくて驚いたことはありませんか。年金からは所得税や住民税、介護保険料などいくつかの項目があらかじめ天引きされており、その内訳を知らないまま老後の生活設計を立てると、想定外の誤算につながりかねません。この記事では、年金から天引きされるものの内訳と一覧を、対象になる条件や仕組みとあわせて整理します。
この前届いた年金の通知書、思ったより受け取れる金額が少なくてびっくりしました…。一体何がそんなに引かれているんでしょう。
実は年金からは税金と保険料がまとめて天引きされているんです。今回はその内訳を一つずつ整理していきますね。
この記事でわかること
- 年金から天引きされる4つの項目とその仕組み
- モデルケースで見る天引き後の手取り額の目安
- 天引きを見据えて今からできる家計の備え
年金から引かれるものは主に4つある

年金から天引きされる主な項目は、大きく分けて「所得税」「住民税」「介護保険料」「国民健康保険料または後期高齢者医療保険料」の4つです。これらは年金が振り込まれる前にあらかじめ差し引かれる仕組み(源泉徴収・特別徴収)になっているため、通知書に記載された年金額と、実際に口座へ振り込まれる金額には差が生じます。
まず押さえておきたいのは、年金からは所得税・住民税・介護保険料・医療保険料の4つが主に天引きされるという全体像です。以下の見出しでは、それぞれがどのような仕組みで引かれるのかを順に解説します。
- 所得税:公的年金等に係る所得に対して源泉徴収される税金
- 住民税:前年の所得をもとに市区町村が特別徴収する税金
- 介護保険料:65歳以上の第1号被保険者が主に対象
- 国民健康保険料・後期高齢者医療保険料:加入する医療制度に応じて徴収
所得税と住民税が年金から引かれる仕組み

所得税は源泉徴収であらかじめ差し引かれる
年金にも所得税がかかります。公的年金等の年間受給額が一定の水準を超える場合、所得税に相当する額があらかじめ源泉徴収され、実際の税額は「扶養親族等申告書」を提出しているかどうかによって変わります。年金額が公的年金等控除の範囲に収まる場合は所得税がかからず、そもそも天引きされないケースもあります。
住民税は特別徴収として天引きされる
前年の所得をもとに計算された住民税は、65歳以上で一定の条件を満たす年金受給者の場合、市区町村が年金から直接徴収する「特別徴収」という方法で天引きされます。65歳未満の受給者や、年金額が一定の基準に満たない場合は、納付書や口座振替で自分で納める「普通徴収」になることもあります。
介護保険料と医療保険料が年金から引かれる仕組み

介護保険料は65歳以上から年金天引きが基本になる
40〜64歳(介護保険の第2号被保険者)の間は、介護保険料は加入している医療保険の保険料と合わせて別途徴収されます。65歳以降(第1号被保険者)になると、年金額が一定以上であれば、介護保険料は年金からの天引きに切り替わるのが原則です。
国民健康保険料・後期高齢者医療保険料も対象になる
65歳以上の国民健康保険加入者や、75歳以上で加入する後期高齢者医療制度の保険料も、年金からの特別徴収の対象です。年金額が一定の基準に満たない場合は普通徴収となり、天引きではなく自分で納付書や口座振替で支払う形になります。制度の基準額は見直されることがあるため、正確な金額は日本年金機構やお住まいの市区町村の公式情報で確認するという方法があります。
モデルケースで見る天引き後の手取り額

ここでは、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせた年金月額を15万円と仮定したモデルケースで、天引き後の手取りイメージを見てみます。あくまで一例であり、実際の金額は加入状況や自治体、年金額によって異なります。
| 項目 | 月額の目安(モデルケース) | 備考 |
|---|---|---|
| 年金額(額面) | 150,000円 | 老齢基礎年金+老齢厚生年金の合計と仮定 |
| 介護保険料 | 約5,000円 | 自治体や所得段階で変動 |
| 国民健康保険料/後期高齢者医療保険料 | 約8,000円 | 加入する制度・自治体で変動 |
| 住民税 | 約3,000円 | 前年所得や自治体で変動 |
| 所得税 | 0円〜数百円程度 | 公的年金等控除の範囲内なら非課税のケースも |
| 手取り目安 | 13万円台前半 | 上記を差し引いた金額 |
■ ここがポイント
手取り額は年金額そのものだけでなく、住んでいる自治体や加入している医療制度によっても変わります。正確な金額は自己判断せず、ねんきん定期便や年金振込通知書で確認することが大切です。
天引きを見据えて今からできる家計の備え

天引き後の手取り額を把握しないまま老後の生活費を計画すると、想定より使えるお金が少なく、生活設計にギャップが生じるリスクがあります。今のうちからできる備えとして、次の3つが挙げられます。
ねんきん定期便で見込み額を確認する
ねんきん定期便に記載されているのは、多くの場合、天引き前の年金の見込み額です。この金額をそのまま老後の生活費として当てにすると、実際の手取りとの差に戸惑うことになります。まずは天引き前の金額であることを理解したうえで、見込み額を確認しておきましょう。
手取りベースで生活費をシミュレーションする
年金額(額面)ではなく、天引き後の手取り額をベースに生活費を見積もることで、老後の家計をより現実に近い形で計画できます。前の見出しのモデルケースを参考に、自分の年金見込み額から天引き分を差し引いた金額で一度シミュレーションしてみるという方法があります。
iDeCoなど自助努力の制度もあわせて検討する
少子高齢化に伴い社会保障の財源確保が課題とされており、今後も保険料の算定基準や控除の仕組みが見直される可能性があります。公的年金だけに頼らず、iDeCoなど自助努力の制度も選択肢に入れて老後資金を上乗せしておくと、天引き後の手取りが想定より少なかった場合の備えになります。受け取り方の違いについてはiDeCoの受け取り方で詳しく比較しています。
なお、天引きされるからと安心して家計管理そのものをおろそかにすると、他の支出とのバランスを崩してしまう可能性もあります。年金以外の収入や支出も含めて、定期的に家計全体を見直すことをおすすめします。副業などで収入源を増やす場合は、住民税の仕組みもあわせて理解しておくと安心です。
まとめ

年金からは、所得税・住民税・介護保険料・国民健康保険料(または後期高齢者医療保険料)の4つが主に天引きされます。天引き後の手取り額は年金額や自治体、家族構成によって差があるため、ねんきん定期便の見方や年金振込通知書で実際の天引き額を確認し、手取りベースで老後の家計を組み立てることが大切です。
⚠ 注意
保険料率や税額の算定基準、控除額は法改正や自治体の条件によって変わることがあります(2026年9月時点の一般的な仕組みに基づく説明です)。正確な金額は日本年金機構やお住まいの市区町村の公式情報でご確認ください。
この記事のまとめ
- ✓ 年金からは所得税・住民税・介護保険料・医療保険料の4つが主に天引きされる
- ✓ 天引きの対象になるかどうかは年齢や年金額、自治体の基準によって変わる
- ✓ 手取りベースで生活費を見積もり、iDeCoなど自助努力もあわせて検討する
よくある質問
年金から天引きされるものが少ない人もいますか?
はい。年金額が一定の基準に満たない場合、住民税や介護保険料などが年金からの天引き(特別徴収)ではなく、納付書や口座振替で自分で納める「普通徴収」になるケースがあります。天引きの有無は年金額や自治体の基準によって異なるため、通知書で確認することをおすすめします。
年金の天引き額はねんきん定期便で確認できますか?
ねんきん定期便に記載されているのは、多くの場合、天引き前の年金の見込み額です。実際に天引きされた後の金額については、年金の振込時期に届く「年金振込通知書」で確認するという方法があります。
天引きされる金額を自分で減らすことはできますか?
所得税や住民税、社会保険料は制度で定められた仕組みで計算されるため、個人の判断で天引き額そのものを直接減らすことは基本的にできません。控除の申告漏れがないか確認したり、家計全体を手取りベースで見直したりするという選択肢があります。

