公務員の副業とは?禁止の理由と例外を徹底解説
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公務員は副業ができないと思い込んでいませんか。
実は公務員の副業とは、法律で一律に禁止されているわけではなく、禁止の理由や範囲を正しく理解すれば認められるケースもあります。
この記事では、公務員の副業が禁止される理由と法律の条文、許可されやすい働き方、無許可副業のリスクと許可の取り方、そして資産運用という選択肢まで整理して解説します。
公務員だから副業は絶対ダメだと思っていたんですが、資産運用ならOKって聞いて本当なのか気になっています。
実は国家公務員法や地方公務員法で制限されているのは、労務を提供して報酬を得るタイプの副業なんです。投資のような資産運用は考え方が違うので、順番に整理していきますね。
この記事でわかること
- 公務員の副業が禁止される理由と、国家公務員法・地方公務員法の条文の基本
- 許可されやすい副業と慎重に判断すべき副業、無許可副業のリスクと許可の取り方
- 資産運用が副業に当たらない理由と、兼業を後押しする自治体の動き
公務員の副業が禁止される理由とは

公務員の副業は、職務への専念や行政への信頼を守るために、法律で原則として制限されています。
そもそも副業とは、本業以外に収入を得る活動全般を指す言葉です。
会社員であれば就業規則の範囲で比較的自由に副業を選べますが、公務員の場合は国家公務員法や地方公務員法によって、労務を提供して報酬を得る副業が原則として制限されています。
公務員は「全体の奉仕者」として職務に専念することが求められており、民間企業の会社員よりも厳しいルールが設けられているためです。
2026年8月時点で確認できる範囲では、制限の根拠は主に次の3点に整理できます。
職務専念義務との関係
公務員は勤務時間中、職務に専念する義務を負っています。
副業に時間や労力を割きすぎると、本来の業務に支障が出かねないというのが制限の一つ目の理由です。
たとえば勤務時間中に副業のメールや電話対応をしてしまうと、この職務専念義務に抵触するおそれがあるとされています。
信用を損なう行為の防止
公務員の副業がトラブルにつながれば、行政全体への信頼を損ないかねません。
信用失墜行為を防ぐという観点も、副業が制限される理由の一つとされています。
副業の内容自体に問題がなくても、SNSでの発信の仕方などが原因で信用失墜行為とみなされることもあるとされているため、注意が必要です。
秘密保持義務との整合性
職務上知り得た情報を副業に利用してしまうと、守秘義務に反するおそれがあります。
情報管理の観点からも、無許可の副業は認められにくい仕組みになっています。
■ ここがポイント
副業制限の背景には、職務専念・信用失墜行為の防止・守秘義務という3つの考え方があります。具体的な根拠条文と許可の窓口は、次の章で整理します。
国家公務員法・地方公務員法の条文と許可基準の違い
公務員の副業は、国家公務員法と地方公務員法の条文によって、原則として「許可制」とされています。
国家公務員には国家公務員法が、地方公務員には地方公務員法が適用され、それぞれ副業(兼業)を制限する条文があります。
ここでは2026年8月時点の条文に基づいて、制度の建付けを整理します。
国家公務員法第103条「私企業からの隔離」
第103条は、営利企業の役員などを兼ねることや、自ら営利企業を営むことを原則として禁止しています。
対象になるのは、営利企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員・顧問・評議員の職です。
ただし同条第2項により、人事院規則の定めるところにより所轄庁の長の申出を経て人事院の承認を得た場合は、この限りではないとされています。
つまり「絶対禁止」ではなく、「承認を得れば可能」という制度設計です。
国家公務員法第104条「他の事業又は事務の関与制限」
第104条は、報酬を得て営利企業以外の事業や事務に関わる場合にも、許可を必要としています。
許可を出すのは、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長です。
報酬を伴う活動であれば、営利・非営利を問わず原則として許可が必要になるということです。
単発の原稿執筆やセミナー講師なども、報酬が発生する以上はこの規定の対象になり得ます。
地方公務員法第38条と国家公務員との違い
地方公務員にも、地方公務員法第38条で国家公務員と同様の制限が設けられています。
任命権者の許可を受けなければ、営利企業の役員等を兼ねることも、自ら営利企業を営むこともできません。
報酬を得て事業や事務に従事する場合も、同じく任命権者の許可が必要です。
国家公務員法との大きな違いは、承認・許可を出す窓口です。
| 区分 | 主な条文 | 承認・許可の窓口 |
|---|---|---|
| 国家公務員 | 国家公務員法第103条・第104条 | 人事院・所轄庁の長など(実務上は所轄庁の長等に権限が委任されているケースが多い) |
| 地方公務員 | 地方公務員法第38条 | 任命権者(市区町村長や教育委員会など) |
なお地方公務員法第38条には、非常勤職員(短時間勤務の職を除く)を対象外とする規定もあります。
自分が対象に当たるかどうかは、雇用形態によって変わるため、所属先の人事担当で確認してください。
■ ここがポイント
国家公務員も地方公務員も「副業は原則許可制」という骨格は共通しています。違うのは許可を出す窓口で、「許可を得ずに始めてよい」という例外があるわけではありません。
公務員でも認められる副業とグレーゾーン

副業が原則制限されているとはいえ、すべての収入活動が禁止されているわけではありません。
一定の基準を満たし、任命権者などの許可を得られれば認められる場合があるのが実情です。
ただし「やって良い副業」があらかじめ決まっているわけではなく、規模や頻度によって許可の要否や可否が変わります。
話題に上がりやすい活動を、許可されやすいケースと慎重に判断すべきケースに分けると次のとおりです。
| 活動 | 認められやすいケース | 慎重に判断すべきケース |
|---|---|---|
| 不動産賃貸 | 小規模で財産の管理の範囲にとどまる | 棟数・部屋数・家賃収入が一定規模を超える |
| 農業 | 実家の農地を維持する程度 | 法人化して事業規模を広げる |
| 講演・執筆・監修 | 事前に確認し、許可や届出の手続きを済ませている | 謝礼の額や頻度が大きく、営利目的とみなされ得る |
| 家業の手伝い | 任命権者の許可を得て従事する | 家業が職務と利害関係のある業種 |
小規模な不動産投資・駐車場経営
アパートやマンションの賃貸経営は、一定の規模を超えなければ資産運用の一環として扱われやすいとされています。
相続などで不動産を引き継ぎ、家賃収入を得ている公務員は珍しくありません。
一方で、棟数や部屋数、年間の家賃収入額が一定規模を超えると、「自ら営利企業を営む」行為とみなされます。
その場合は、国家公務員法第103条・地方公務員法第38条に基づく承認や許可の対象になり得ます。
目安として「5棟10室」基準などが用いられているとされていますが、自治体や職種によって運用が異なります。
具体的な線引きは人事院規則14-8や各自治体の運用基準で定められています。
最新の基準は、所属先の服務規程や人事担当窓口で確認することをおすすめします。
投資信託や不動産投資をどこまで行ってよいかは、投資と不動産の線引きを整理した記事でも解説しています。
農業(小規模な兼業農家)
実家の農地を維持する程度の小規模な兼業農家であれば、営利企業を営む行為とはみなされにくいとされています。
ただし法人化して事業規模を拡大する場合は、扱いが変わってきます。
規模を広げる前に、所属先へ相談しておくのが安全です。
講演料・原稿料・監修料などの報酬
講演や執筆といった活動で得た謝礼は、届出や許可を条件に受け取れるケースがあります。
営利企業への従事とは性質が異なるものの、報酬を得る以上は国家公務員法第104条や地方公務員法第38条の「報酬を得て行う事業・事務」に該当し得ます。
謝礼の額や頻度によっては営利目的の活動とみなされ、許可が必要になる場合もあるとされています。
1回限りの謝礼だから大丈夫と自己判断せず、事前に所属先へ確認しておくと安心です。
家業の手伝い(許可制)
実家の家業を手伝う場合も、無許可では認められませんが、任命権者の許可を得ることで例外的に従事できる場合があります。
特に家業が職務と利害関係のある業種の場合は、利益相反にあたらないかより慎重に審査されるとされています。
こうした例外に当てはまらない場合でも、支出を見直して先取り貯金を習慣化するなど、副業以外の方法で家計にゆとりを持たせる選択肢もあります。
先取り貯金のやり方を参考に、まずは家計の土台を整えるのもひとつの方法です。
株式投資やNISAが副業に当たらない理由

公務員の副業制限の対象になるのは、労務を提供して報酬を得る活動です。
株式投資や投資信託の売買は自己の資産を運用する行為であり、労務の提供にはあたらないため、原則として副業規制の対象外とされています。
NISAを使った少額からの資産運用
証券口座を開設してNISA制度を使えば、値上がり益や配当にかかる税金が非課税になる範囲内で、少額から株式投資や投資信託を始められます。
証券口座選びに迷ったら、老舗で口座開設のサポート体制が整った証券会社を比較先の一つに入れてみるのも一案です。松井証券の魅力、まずはお試しください。![]()
iDeCoとの違いを押さえておく
老後資金づくりを目的とするiDeCoと、比較的自由に引き出せるNISAでは制度の性格が異なります。
両者の違いを事前に整理しておくと、目的に合わせて使い分けやすくなります。iDeCoとNISAの違いを詳しく解説した記事もあわせてご覧ください。
ただし株式投資や投資信託は元本が保証されているわけではなく、相場によっては資産が目減りするリスクがあります。
副業のような労務規制はなくても、無理のない金額で運用することが前提になります。資産運用シミュレーションで将来の増え方をイメージしておくと、無理のない金額を判断しやすくなります。
■ ここがポイント
株式投資やNISAは資産運用のため、副業規制の対象外とされています(2026年8月時点)。元本割れリスクがあるので、生活防衛資金を確保したうえで無理のない範囲で行いましょう。
無許可副業のリスクと正しい許可の取り方

無許可の副業は懲戒処分の対象になり得るため、必ず許可を得てから始めることが大切です。
無許可副業がばれる主なきっかけ
無許可の副業は、思わぬところから発覚することがあります。
代表的なきっかけとして、住民税の特別徴収額から所得の変動に気づかれるケースや、SNSでの発信、周囲からの申告などが挙げられます。
確定申告の内容や年末調整時の給与照合から、副収入の存在に気づかれることもあるとされています。
懲戒処分の種類と根拠
国家公務員法第82条・地方公務員法第29条は、法律や職務上の義務に違反した場合に懲戒処分を行えると定めています。
無許可副業が発覚した場合、戒告・減給・停職・免職といった懲戒処分の対象になり得ます。
処分の重さは、副業の内容や期間、報酬額、職務への支障の程度など複数の要素を踏まえて総合的に判断されるとされています。
「バレなければ大丈夫」ではなく、許可を得ていない時点でリスクを抱えている状態だと理解しておく必要があります。
逆に言えば、人事院や任命権者の許可を得れば、公務員でも副業は可能ということです。
⚠ 注意
許可基準や届出の要否、懲戒処分の具体的な運用は、省庁・自治体ごとに細部が異なります。副業を検討する際は、必ず所属先の服務規程や人事担当窓口で最新のルールを確認してください。
許可を得るための一般的な流れ
自治体や省庁によって呼び方や細かな手順は異なりますが、許可を得るまでの流れは、おおむね共通しています。
副業を始める前に、所属先の人事担当窓口へ副業の内容(不動産賃貸・執筆・講演など具体的な活動)を相談する。
必要書類をそろえ、所定の様式で申請する(国家公務員は人事院規則14-8などに基づく承認・許可の手続き、地方公務員は任命権者への許可申請)。
許可の可否や条件の通知を受け取ってから活動を始め、収入や活動状況に変化があれば都度、所属先へ報告・相談する。
自己判断で活動を始めてしまうと無許可副業とみなされるリスクがあるため、順番を守ることが大切です。
許可を得て副業を始めた後は、収入に応じて確定申告が必要になる場合もあります。
基本的な流れは在宅副業の始め方と確定申告でも解説していますので、あわせて参考にしてください。
副業を後押しする自治体の動きと今後のルール

近年は、地域貢献を目的とした兼業を後押しする自治体も出てきています。
地方公務員法第38条の枠組みの中で許可の基準を明確にし、職員が副業(兼業)に踏み出しやすくする取り組みです。
副業を全面的に解禁する制度ではなく、あくまで許可を出しやすくするための運用基準の整備という位置づけです。
兵庫県神戸市(2017年4月〜)
神戸市は2017年4月から、NPO活動など公共性の高い組織での副業を職員に認める「地域貢献応援制度」を導入しました。
全国で初めて職員の職務外での報酬受け取りを明確に認める取り組みとされています。
奈良県生駒市(2017年8月〜)
奈良県生駒市は2017年8月1日から、職員が職務外に報酬を得て地域活動に従事する際の許可基準を定めた運用を始めました。
独自の兼業許可基準を整備した代表的な事例として知られ、2025年4月にも運用基準が改正されています。
2026年7月時点でも運用は継続されています。
ただし対象は公共性のある地域貢献活動に限られ、営利目的の副業を無制限に認めるものではない点には注意してください。
公務員の副業ルールは今後どう変わるか
こうした取り組みを検討する自治体は、今後も増えていく可能性があります。
国全体としても、副業・兼業を通じた人材活用の議論は続いているため、公務員の働き方を取り巻くルールは今後さらに見直される可能性があります。
ただし2026年8月時点では、労務提供型の副業が原則として制限されている状況に大きな変更はありません。
制度改正の情報はニュースだけで判断せず、所属先から出される公式な通知で確認することが欠かせません。
まとめ

公務員の副業は、法律で一律に禁止されているわけではなく、原則として許可制とされているのが実情です。
制限されているのは、主に労務を提供して報酬を得るタイプの活動です。
禁止の理由と許可の仕組みを正しく理解し、認められる例外や資産運用という選択肢を知っておけば、無理のない範囲で収入の幅を広げる方法を見つけやすくなります。
この記事のまとめ
- ✓ 公務員の副業は国家公務員法103条・104条、地方公務員法38条により原則「許可制」とされている(2026年8月時点)
- ✓ 許可の窓口は、国家公務員が人事院・所轄庁の長など、地方公務員が任命権者
- ✓ 不動産賃貸・農業・講演や執筆・家業の手伝いは、規模や頻度次第で許可が必要になる
- ✓ 株式投資やNISAは労務提供にあたらないため、原則として副業規制の対象外とされる
- ✓ 無許可の副業は懲戒処分の対象になり得るため、始める前に所属先へ相談して許可を得る
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※投資は元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の判断と責任で行ってください。
よくある質問
公務員は副業が全面的に禁止されているのですか?
全面禁止ではありません。国家公務員法103条・104条、地方公務員法38条により、公務員の副業(兼業)は原則として「許可制」とされています(2026年8月時点)。許可の窓口は、国家公務員が人事院や所轄庁の長など、地方公務員が任命権者です。判断は内容や個別の事情によるため、始める前に所属先の規定を確認することが大切です。
不動産賃貸や講演の謝礼、株式投資も副業にあたりますか?
不動産賃貸・農業・執筆や講演などは、規模や頻度によって許可が必要になる場合があります。線引きは人事院規則14-8や各自治体の運用基準、所属先の内規によって異なります。一方、株式投資やNISAは労務の提供にあたらないため、原則として副業規制の対象外とされています。不安な場合は始める前に担当部署へ相談しておくと安心です。
無許可で副業をすると懲戒処分の対象になりますか?
対象になる可能性があります。国家公務員法第82条・地方公務員法第29条に基づき、戒告・減給・停職・免職といった懲戒処分の対象になり得ます。同僚からの申告や税務関連の通知などをきっかけに把握されることも珍しくありません。「バレなければ大丈夫」と考えず、迷った時点で所属先に相談しておくことが、リスクを避ける一番確実な方法です。

